高山佳奈子先生(京都大学教授・刑法学)のブログが面白いので紹介します

高山佳奈子先生、頑張ってますね。

何がって?

私と、同い年で(どうでもいですが)、京都大学職員組合の委員長を務められ、今は、安保法制反対の立場で、ネットプリントの原稿を自作するなど。ちょっと前は、風営法違反事件で、被告の行為は処罰に値しない、つまり、無罪だと主張されていたんですね。

出身は東京大学。指導教授は、山口厚先生

東京大学って、スマートなイメージなんですよね。私の勝手な思いですが。つまり、学問的には最高水準を保ちつつ、でも、時の政権に(表立っては)逆らうことをしない、というイメージです。

でも、このイメージは、安保法制で完全に崩れ去りました。「完全に」と言うのは、その徴候があったんですよ。これも、私の、勝手なイメージです。

でも、全くの根拠がなかったわけではありません。

まず、木村草太・首都大学東京准教授(憲法学)です。

嫡出子と非嫡出子との法定相続分をめぐる差別問題(民法900条の4)で、違憲との立場を一貫して主張し、しかも、最高裁違憲と認めた判決に

「結論は賛成だが、理由は問題点が多い」と主張されていました。

私より、10歳以上も年下の先生が、最高裁判決に「物申す」とは、度胸があるなあと思っていたんですが、木村先生は、指導教授とも喧々諤々の議論をして、他の教授が「まあまあ」と中に入って収まった、という経歴の持ち主です。

木村先生は、准教授(立場が不安定)でありながら、96条の会にも参加されたり(呼びかけ人だったかな)、かなり、積極的に名前をだして公然と政権批判をしていたんですね。

古参の奥平先生、樋口先生はともかく、「東大憲法は変わったなあ」としみじみ、思いました。もちろん、青井未帆先生(学習院大学)や、南野森先生(九州大学)もいらっしゃいます。忘れては、いません。最近、注目されているのは、長谷部恭男先生ですね。現在は、早稲田大学教授ですが、その前は、東京大学教授です。

ああ、高山先生の話でしたね。

このような状況で、高山先生を知りました。きっかけは、山口厚先生(早稲田大学教授・刑法学)が指導教授だったから、その「弟子」のひとりとして、高山先生の名前を知っていたのです。山口先生は刑法学会の理事長を務められ、日本刑法学の最高峰と言っても過言ではありません。

その「弟子」ですから、私とは、学問的には別としても、ちょっと、近寄りがたい。

むしろ、もし、高校生の時、同じクラスだったら、一言も会話しなかったでしょう。

それが(と言っては失礼ですが)、闘う京大労組委員長ですよ。びっくりしました。

姿勢が一貫している

京大労組委員長の時、ブログを立ち上げたんですよ。私は、時々チェックして、頑張ってるなあ、と思いました。

で、労組委員長を辞めた時に、ブログも閉鎖すると言われてたんですが、復活しました。

内容を見ると、実に面白い。安保法制反対の立場は当然として、在特会の宣伝・デモ活動に、「このような行為・発言は、刑法○○に該当します」と釘をさしているんですね。

刑法学者として、ユーモアと想像力でブログを運営している。

機会があれば、一度お会いして、お話をしたい研究者ですね。