安全保障関連法を採決した九月十七日の参院特別委員会の議事録が、十一日に参院ホームページ(HP)で公開された。採決は委員長の宣告後に行われるのが規則。採決を宣告したと主張する委員長発言を「聴取不能」と認めておきながら、安保法を「可決すべきものと決定した」と付け加えた。採決に続き、議事録の内容まで与党側が決めたと、野党は反発している。議事録は「聴取不能」までは未定稿と同じ内容。しかし「委員長復席の後の議事経過は、次のとおりである」との説明を追加。審議再開を意味する「速記を開始」して安保法制を議題とし、「質疑を終局した後、いずれも可決すべきものと決定した。なお、(安保法制について)付帯決議を行った」と明記した。
東京新聞(電子版・2015年10月12日)は、参議院安保特別委員会での議事録の内容を与党側が決めた、と報道しました。
わたしは、安保特別委員会の中継をテレビで観ていましたが、とても「可決すべきものと決定した」と言えるような状況ではありませんでした。
その直後に、わたしは友人を通じて「議事録(未定稿)」を取り寄せましたが、そこには「聴取不能」と記載されていました。
委員会室は、騒然とし、委員長の姿は見えず、声すら聞こえませんでしたから。
今回、野党が反発するのは、当然ですよ。
議事録公開について「与党議員らが先に委員長席を取り囲んで『聴取不能』にし、後から速記を開始して可決したと追加する。これでは議事録の信頼性が揺らぐ」
と、指摘しています。
そりゃ、そうですよね。「聴取不能」になりながら、後で追加するのは、与野党双方が合意した内容であるべきです。
わたしは、たとえ与野党双方が、合意したとしても、原則的には認めるべきではないと考えます。
だって、そのようなことをしたら、国民の知らないところで、議事録が改ざんされることだって起こりえるわけですから。
今回は、まさに異常事態ですよ。
こんなことを許したら、この先、何をするのか分かりません。
安倍首相は、憲法「改正」を視野に入れて、来年夏の参議院議員選挙に望む考えを明らかにしています。
憲法改正には、両議員の3分の2以上の賛成がないと発議できません。でも、議事録を変えることができてしまうなら、憲法改正の場面でも起こらないとは言えません。
数の力によって、議論する機会を封じ込め、後から議事録に追加する、なんてことは絶対に許されることではありません。
以下、Twitterでの反応を、ご紹介します。
参院ホームページで公開された9月17日の参院特別委の議事録が、安保法採決を宣告したと主張する委員長発言を「聴取不能」と認めておきながら、安保法を「可決すべきものと決定した」と追加。議事録の内容まで与党側が決めた。強行採決のひどさ露呈。http://t.co/1f6BGcIZRC
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(@masaru_kaneko)
東京新聞2015.10.12朝刊 安保法 聴取不能の議事録 与党判断で可決追加 ← 許さない!採決は行われていない。 pic.twitter.com/uG5eLvR1XG
— pon pon 安保法賛成議員落選 (@wyntons)
政治のルールを勝手に変える、自分たちの好きなように事実を作る、というのは独裁政権のやること。 東京新聞:安保法「聴取不能」の議事録 与党判断で「可決」追記:政治(TOKYO Web) http://t.co/hIc1TYziYP
— T-T (@tcy79)
東京新聞 安保法「聴取不能」の議事録 与党判断で「可決」追記 2015年10月12日 07時02分 http://t.co/Qfj5aX0g9c 国会閉会後に自由自在に追記で議事録を改ざんできるなら、 「議会で決める」意味がない。 事務方と為政者の協力による「独裁」の完成。
— 宍戸俊則(shunsoku2002) (@karitoshi2011)
東京新聞:安保法「聴取不能」の議事録。与党判断で「可決」追加 …。採決を宣告したと主張する委員長発言を「聴取不能」と認めておきながら、安保法を「可決すべきものと決定した」と付け加えた。 与党議員は民の声が聞こえないのに。あの喧噪の中で可決が聞こえたとは不思議!⇒この暴挙忘れまい
— J・Sasaki (@an_old_man1734)