「一億総活躍社会」に笑ってしまった。わたしが真面目に提案する、5つの「一億総活躍」の条件

「一億総活躍社会」って聞いて、笑ってしまいました。「3本の矢」の次は、「一億総活躍社会か」ってね。3本から、一億。。

何がしたいのか、さっぱり分かりません。まあ、これから、出てくるんでしょうけど、笑っててもしょうがないので、わたしが、5つの提案をします。

【目次】

「活躍」ってなに?

人によって、「活躍」の意味は違いますよね。スポーツで活躍するのか、また、ノーベル賞をもらったことが、活躍なのか、などなど。

早い話、一億人いれば、「活躍」の意味が一億通りあるってことです。なかには、共通項があるかもしれませんけど、ピッタリと一致することは、まず、ありませんよ。

本来なら、何が「活躍なのか」を国民から、聞くべきでしょう。それをしないで、政府が考える「活躍」を押しつけられたら、たまったものではありません。

でも、それって、無理でしょうし、する気もないでしょうね。ただ、文句ばかり言っていても、始まらないので、わたしが、5つの提案をします。

1,義務教育は、完全無償化

わたしは、3人の子どもを持つ親ですから、主に教育の面での提案となります。

一つ目は、義務教育は、完全に無償化にする、です。

給食費から、補助教材まで、親が負担する教育費はかなりの負担になります。特に、ひとり親家庭は、ダブルワーク、トリプルワークも珍しくなく、子どもと一緒に夕食を食べることができなくなっています。なので、こうした状況を変えなくては、子どもが、のびのびと育ちません。また、親も、消耗しきっていますから、「活躍」できなくなるでしょう。

給食費が払えない」という家庭も少なからず、存在します。また、修学旅行の積立金も大きな負担です。積立金が払えず、修学旅行に行けないという子どもを作ってはいけませんよね。

だから、小学校から中学校までの教育費は、国や地方公共団体が負担することにします。制服等も、無償提供でいいじゃないですか。

だから、義務教育は、完全無償化にすべきです。

2,高等学校に、給付型奨学金を導入

高等学校は、義務教育ではありません。しかし、今や、ほとんどの子どもが、高校に進学する時代です。もちろん、進学しない自由もありますから、親と子どもの意思を尊重しなくてはいけません。

高等学校の授業料は、所得に応じて、無償化が実現しています。この所得制限を撤廃します。「所得に応じて」というのは、一見、理にかなっているように見えますが、そうではありません。ボーダーラインギリギリで、授業料が無償となり、一方で無償とならない世帯が存在しますが、違いがよく分かりません。

なので、所得制限を撤廃します。

その上で、教材費や制服代、修学旅行などの積立金については、給付型の奨学金を導入します。公立、私立を問わずに、導入するんです。

結果的には、義務教育の完全無償化と変わりません。しかし、所得制限ではなく、成績など別の理由で、区別すべきと考えます。

例えば、進級できなかったときは、給付型奨学金の対象から外すなど、です。もう、義務教育ではありませんから、勉強する気のない生徒に対して、奨学金は必要ありませんから。

所得制限ではなく、やる気と結果で線引きするのです。

3,塾・予備校の費用を一部負担金方式に

東京大学の入学者のうち、その多くが、親の年収が1,000万円以上です。塾や予備校は、これも今や、ほとんどの子どもが通っています。ただ、「授業料が払えない」「給食費が払えない」家庭の、塾・予備校通い率は、格段に下がっているでしょう。

この格差を解消するために、塾・予備校の費用を一部負担方式とします。

具体的には、塾・予備校は誰でも入れるようにして、定期的に試験を行います。その試験で一定の点数を獲得することができれば、親が負担する塾・予備校の負担金額の上限を設けます。例えば、月5,000円など。

学校の成績(例えば、通知表)を加味することも考えとしてありますが、これは採用できません。なぜなら、相対評価の学校が多いからですね。

今より、競争が激しくなるのではないか、という意見が出てきそうですね。

でも、親の所得によって競争に加わることができないよりも、スタートラインを同じにすることによって競争が激しくなるのはいいことじゃないんですか。しかも、相対評価ではなく、絶対評価で行いますから、格差の是正につながります。

また、大学受験や高校受験、中学受験に至るまで、今や、塾・予備校の情報はとても有益です。というか、この情報がなければ、はっきり言って、受験勉強とは全く違った勉強をすることになりますから。

要は、やる気と結果がともなえば、親の所得は関係ないんだ、という環境にするってことです。

4,大学・大学院にも給付型奨学金の導入

「2、高校に給付型奨学金の導入」と重なります。考え方も同様です。

授業とサークル以外の時間は、授業料や下宿代などのためにバイトする学生は少なくありません。加えて奨学金です。卒業時には、数百万円の「借金」を背負って、社会人生活をスタートさせる学生が多いのが現状です。

せめて、「借金ゼロ」で社会人をスタートさせてあげるべきです。

これも、基準は、大学の成績とします。遊ぶためにバイトをして、そのために授業に出ない、試験で与えられた基準をクリアできない学生は、どうしようもありませんから。

なんのために大学に行くのか、目的を明確化して、勉強に打ち込むことが必要だからです。

5,司法試験を旧司法試験方式に戻す

一言で言えば、旧司法試験方式に戻すということです。合格者数も、年間500人程度にすべきです。法曹の資格を持った人の数が多ければ、いいというわけではありません。

年間数百万円の法科大学院の授業料を払って、結果、司法試験に合格しない、ってのはあまりにも悲惨ですよね。膨大な借金を背負っている人が、少なからずいます。

また、4の給付型奨学金の考え方によれば、法科大学院の授業料も給付型ということになるでしょう。ただ、司法試験の受験資格を得るための法科大学院なら、なくてもいいんじゃないんですか。

学者や研究者を希望する学生が、法科大学院に進学すればいいだけの話であって、なくても、だれも困りません。法科大学院では、実務の勉強にも力を入れているとのことですが、これも、司法修習を2年に戻せば、いいだけの話です。

そして、司法修習生の期間は給費制度を復活して、一定額の「給与」を支払う。生活費などを借金しながら、実りある修習はできません。安心して、修習に打ち込めるようにすべきです。

わたし的まとめ

どうでしょうか?要は、お金を持っているのか、いないのか。つまり所得「格差」をなくして、同じスタートラインにたたせることが大事だってことを、言いたかったわけですよ。

優秀でありながら、お金がなくて進学できない。高校を退学せざるを得ない。このような状況をなくすのが、将来の日本にとって、とても大事だからです。

活躍できる人の芽を摘み取ってしまわない社会にすることが、まず必要ですから。

みなさんは、どう、お考えですか?ご意見があるなら、TwitterFacebookでコメントください。このブログのコメント欄は閉じましたので。

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