議論の順序が逆ではないかー集団的自衛権

毎日新聞(4月30日)は

安倍晋三首相は29日、集団的自衛権の行使容認論議について「安保法制懇(安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会)で最終的な詰めを行っている。結論が出て、憲法解釈(変更)の必要があれば閣議決定を行い、国会で議論していきたい」と述べ、解釈変更に改めて意欲を示した。

と報道しました。

 

連休明けにも出されると言われている「安保法制懇」の報告書。これまでの報道から、集団的自衛権の行使容認に向けた内容となりそうです。まあ、安倍首相の「お友達」の集まりですから、当然と言えば、当然ですが。

 

それにしても、憲法解釈の変更で、集団的自衛権の行使容認ということに対しては、依然、批判が強いですね。にもかかわらず、安倍首相は「閣議決定」で解釈の変更を行おうとしています。

 

憲法96条の先行改正を打ち出し、猛烈な批判を浴びて引っ込めた「トラウマ」があるんでしょうか。国民的な議論や国会での議論を経ないで、まず、「閣議決定」ってのは、そのためなんでしょう。でも、この間で言えば、アメリカへのミサイル発射、アメリカの艦船に対する攻撃など、政府が想定し、または、根拠としている集団的自衛権行使についての議論では、決着がついていると思うんですけどね。だから、「閣議決定」先行なんでしょうか。

 

最近では「自衛権」ではなく「他衛権」という言葉も使われるようになってきました。本質が明らかになっていることの現れです。安倍首相は(閣議決定先行で)逃げず、正面から、国民に十分説明して理解を得ると同時に、国会での議論を徹底して行うべきですね。