「あなた、辞めたら」が退職を決意するきっかけに。進言してくれた先輩同僚に感謝

ある飲み会の席でした。同僚と話をしているときに先輩同僚がわたしに「あなた、仕事も十分できないのに、何やってんの?」「自分の立場を考えて行動しないといけない」「将来について、考えた方がいい」「あなた、辞めたら」と言われました。

 

酒が入っているとはいえ、あまりにも非常識な言葉にびっくりしました。

 

「人がプライベートで何をしようが関係ないじゃん」と思うと同時に、怒りがこみ上げてきました。

 

でも、あのとき先輩同僚が言ってくれなかったら、わたしは、退職するきっかけを失っていたでしょう。



 

 



プライベートには口出しするな

 

勤務時間以外は、プライベートな時間です。そのプライベートな時間に、人が何をしようが関係ありませんし、とやかく言われる筋合いもありませんよね。

 

でも、当時のわたしは、体調を崩すことが多く、仕事も休みがちでした。

 

同僚や上司は、プライベートでいろいろとやっているから体調を崩しているのではないか、など、いろいろと心配をしていました。わたしは、休日まで監視されているのはいやだなあと思いつつも、それほど深く考えていませんでした。

 

だけど、同僚や上司は、深く考えていたのです。「そういえばこの前、三脚にスマホを取り付け、パソコンを操作していたよね」という感じに。その時は、確かにUstreamで中継し、その反応を見るためにパソコンで見ていました。

 

それが原因で体調を崩したんじゃないかと。

 

でも、基本的に休日に何をしてもいいんじゃないんですか?体調を崩したのは結果論であって、直接の原因は特定できないですよね。

 

そもそも、プライベートまで口出しするなんて、大きなお世話と思っていました。

 

刑事法やえん罪事件、スラップ裁判について調べていた

 

当時のわたしは、刑事訴訟法や刑法を勉強し、えん罪事件について調べたりしていました。まだ、日本ではあまり知られていないスラップ裁判についてもシンポジウムに参加し刺激を受け。さらには、カルチャーセンターで、木村草太先生の講演会にも参加していました。

 

入院後、短時間勤務から、通常勤務へと移行してもなお、仕事の配慮をしてもらっていた時期です。

 

このような時期に、同僚にスラップ裁判のことやえん罪事件を調べるきっかけを得意げに話しているわたしを見て「あなた、辞めたら」と言ったのでした。

 

まあ、仕事上の配慮をしてもらっている人間が、プライベートに何やってんだ!と、感情的になってしまった部分もあったのでしょうね。

 

確かに、わたしは自分の置かれている状況と立場を自覚する必要があったとは思いますし、発言についても注意すべき点があったのは事実です。

 

でも、休日に身体を休めるために寝ていろと言うのでしょうか。それは、それで、無理がありますよ。

 

「絶対に辞めないからな」と思い、その同僚先輩とは挨拶もしなくなりました。もともと、挨拶をしない人でしたから、普段通りってことですね。

 

先輩同僚の一言は優しさからだった

 

ただ、今思うと、先輩同僚は、ぶっきらぼうな反面、言葉にはしませんが優しい一面もあったのは確かです。

 

「辞めたら」発言の後は、わたしと仕事を一緒にしたときの話の文脈で、「ひとこと言えば、何が言いたいのかを察知して、すぐ結果を出してたんだ」「あなたは、できる人だから」とフォローもしていたんですよね。

 

仕事とは違った方向に向かいつつあるわたしに対して、「やりたいことをやるなら、今が潮時だ」と感じ取っていたのでしょう。やりたくない仕事とまでは言わないけれど、やりたいことがあれば、方向転換することも考えた方がいいという「優しさからの一言」だったんだと思います。

 

わたしの職場って、みんな優しいんですよね。優しすぎるくらい、優しい。それが、かえって、わたしにとってはプレッシャーになっていたんだと思います。

 

ただ、どのように接したらいいのかわからない状態の人がほとんどで、先輩同僚は、不器用な人だからストレートなってしまった。直球しか投げられない人なんですよね。

 

「辞めたら」発言から3年後

 

あの日から3年後でしょうか。時期は定かではありませんが、ようやく、退職する気持ちが固まりました。あのとき、「あなた、辞めたら」と言われなければ、今もなお、わたしは、もがいていたでしょう。

 

でも今は、スッキリしています。収入は激減しますが、毎日を楽しく過ごせています。

 

今思うと、何にこだわって、もっと早くに退職しなかったんだろうと思いますよ。やっぱり、収入ですかね。

 

これからは、思う存分、羽をのばしたいです。もう、誰も、言わないですから。その代わり、すべて、「自己責任」です。やりたいことをやって、収入に結びつけるための準備も始めています。

 

ああ、この3年間がもったいないですね。今更、悔やんでもしょうがないですから、これから、試行錯誤しながら頑張ってみます。

 

先輩同僚には、挨拶してませんけど、まあ、フラッシュバックするよりはいいですから、会わない方がいいですね。でも、感謝していますよ。