著者は、アフリカと中近東の戦争した国々、被災地など、100万人を超える人々をトラウマから開放し、自由にする活動を行ってきました。その経験から、「トラウマ解放エクササイズ」(TRE)にたどり着きました。
私が実際に、エクササイズをしたら、マジで震えるんです。そして、眠くなりました。
トラウマとは
心的外傷(しんてきがいしょう、英語: psychological trauma、トラウマ)とは、外的内的要因による衝撃的な肉体的、精神的な衝撃を受けた事で、長い間それにとらわれてしまう状態で、また否定的な影響を持っていることを指す。特定の症状を呈し、持続的に著しい苦痛を伴えば、心的外傷後ストレス障害(PTSD)ともなりえる。Wikipediaより
感じ方は人それぞれなんです
「PTSD」という言葉は、よく耳にします。でも「心的外傷後ストレス障害」と「日本語」でいう人はあまり多くありません。「PTSD」が言葉として浸透しきっているからですね。
自分は「無関係だ」という人もいます。でも、ちょっと待って下さい。「心的外傷」(トラウマ)は誰もが受けるんですよ。もちろん、人によって受け止めは違います。同じ出来事でも、何も感じない人もいれば、深刻に受け止め「心の傷」となる人もいるんですよね。
つまり、人は、それぞれ感じ方が違うのです。
では「心の傷」となった出来事が悪いのか。そうでもありません。
確かに、本人にとってみれば、否定的な出来事です。良い出来事とはいえませんね。ただ、人が生きている限り、すべて順風満帆ではないはず。すべての人が、必ずといってもいいほど、人生のどこかで「心の傷」(トラウマ)を負っています。
肝心なのは、トラウマを上手く克服することができるのか。正面から受け止め、人生の次のステップに活かせるのかなんですよね。
その意味で、トラウマは、人生に起こる自然な出来事の一部として受け入れる。そうすると、トラウマに新たな光を当てることができます。
恐怖で震える
ライオンに襲われて何とか逃げ延びたガゼルは、しばらく体全体で震えています。この震えは過剰な興奮を振り落とすためのものです。こうしてアドレナリンを放出すると、ガゼルは群れに戻り、何事もなかったように池で水を飲みます。
私たちは、自然界のように、ライオンに襲われることはありません。
しかし、会社でミスをして同僚や上司から怒鳴られた時、交通事故にあった時、被災した時、震えを我慢していませんか。例えば、街なかで転んだ時に「痛い、痛い」と、その場で、大声を出していますか。多くの人は、何事もなかったように、立ち上がって歩行を続けるでしょう。心のなかでは、恥ずかしさと痛さが混在し、一日中、悶々と過ごす。
こうして、トラウマは、日々、少しづつ、体に貯めこまれていきます。これが、長い間続くと成長ホルモン、生殖ホルモンなどが混乱します。さらに、認識力も減少して、感情もうまく処理することができなくなります。また、過剰なストレスは、うつ病、高血圧、心臓病などの原因となります。また、免疫力を低下させ、風邪や感染症にもかかりやすくなります。
震えが筋肉をほぐしトラウマを開放する
心の傷を負った場合、それを癒やすためには時間が必要です。しばしば「時間が解決してくれる」という言葉を耳にしますね。カウンセリングも有効な手段です。しかし、体の奥深くに蓄積されたトラウマは、カウンセリングだけでは癒やすことができません。薬を使用することもあります。
でも、著者が活動する地域に住む人は貧困層が多く、医療費を払うことができません。薬はないに等しい。そこで、著者は「震え」に注目しました。意識的に身体を震わす。これが、トラウマ解放エクササイズ(TRE)です。
1人でできるシンプル体操
トラウマ解放エクササイズは、1人でできます。1日15分程度です。最初の1ヵ月は、1日おきに、2ヵ月目からは週に2回ほど行えばいいとされています。もちろん、個人差がありますから、自分で調整することが必要です。
主に下半身のストレッチです。筋肉に負荷がかかりますが、筋肉痛にはなりません。ストレッチ効果と震えが、筋肉を解すのです。