「憲法の創造力」を読んで感じた「違和感」とは

木村草太先生(首都大学東京憲法学)の著書です。

憲法の創造力 (NHK出版新書 405)

憲法の創造力 (NHK出版新書 405)

昨日から読み始め、折り返し地点を少し過ぎたところまで、読み進めました。

私が感じる先生の魅力の一つは、従来の枠にとらわれず、新しく、先生なりの視点が随所にあり、「なるほど」と思う点が多々あることです。

憲法の急所」もそうでしたし、「法律時報」2013年2月号の「公務員の政治的行為の規制についてー大阪市条例と平成24年最高裁二判決」もそうでした。

特に、公務員の政治的活動の規制についての「差別論からのアプローチ」とともに「公務員組織の構成原理からのアプローチ」という「二つの視点と検討」は、私が問題意識を持っている課題について、大きな影響を与え、「理論的な壁」を乗り越えるきっかけにもなりました。

今回、「憲法の創造力」を読むにあたって、これまでの経験則から、「大きな期待」を持って、読み始めました。

本書は7つのテーマを取り上げています。

君が代不起立の問題点」、「裁判員制度合憲の条件」などです。

これらテーマの一つに「一人一票だとどんな良いことがあるのか?」(第二章)と題して、小選挙区制(一人別枠方式)について考察しています。つまり、「投票価値の平等」についてです。

このテーマを読んだ時、率直に、違和感を感じました。

この「違和感」については、別の機会に委ねます。

ただ、改めて思ったのは、「投票価値の平等」を追求するあまり、それとは次元を異にする「大事な何か」が、没却されていないのだろうか、という思いです。

私は、選挙制度に「正解」は無いと思っていますが、より良い選挙制度を探求する過程での、国民的議論や研究者の発信が、大事だと思っています。

このような観点から、改めて、投票価値の平等や選挙制度について、考えたいと思いました。