facebookで「憲法に関わる情報発信」というページを作った理由(わけ)

昨日、facebookで「憲法に関わる情報発信」というページを作りました。

ページ作成の趣旨は、「改憲護憲の立場にとらわれずに、憲法に関する情報を発信する」です。

 

私は、これまで、憲法に関する書籍を読んできましたが、印象的だったのは、樋口陽一先生の一言です。

憲法研究者は、国民に対して、何をしてきたのだろうか」という趣旨だったように記憶しています。つまり、「立憲主義」を例にすると、研究者の間ではあたり前の前提でも、国民には「?」の人が多い。

樋口先生の一言は、こうした状況を目の当たりにしての「ため息的」な一言だったと、私は理解しています。

 

だって、高校までに社会科で習う憲法といえば、「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の3つが主な内容で、それも、内容を学習すると言うよりは、「暗記する」もの。私も、同様でした。

 

立憲主義」という言葉が、国民に浸透するきっかけになったのは、安部首相の「功績」の一つと言えるかもしれません。

憲法改正手続きの緩和。いわゆる「96条の先行改正」です。安部首相は、単に手続き論として「甘く見ていた」のかもしれませんが、これには、「改憲派」と言われる(自称する)研究者からも、「裏口入学だ」などと、少なくない異論(批判)が出されました。

一度は、影を潜めた「96条改正論」ですが、昨日、安部首相は国会で、改めて、その改正に意欲を示す答弁をしています。

 

私は、樋口先生の言葉も含めて考えた時、今、国民がすべきことは、「改憲」か「護憲」かの立場にとらわれずに、「立憲主義」をはじめ、そもそも「憲法とは何か」。そのうえで、「日本国憲法は、何を規定し、私達の生活にどのように関係しているのか」などの議論をする時期だと思います。

そのうえで、現行憲法で、不都合な部分があれば変えればいいし、なければ変えなくてもいい。単に「改憲」「護憲」に解消できる単純ものではないと(私は)思います。

 

話は、飛びますが、先日、ある人の話を聞く機会がありました。憲法とは、関係ありません。ただ、参考になったキーワードは「想像力」と「創造力」。どちらも、「そうぞうりょく」と言いますよね。しかし、前者は、「Imagination」、後者は「Creative」です。

 

奥平康弘先生が「憲法の想像力」を出版されたのが2003年。木村草太先生が「憲法の創造力」を出版されたのが2013年。この10年間で、憲法をめぐる環境は大きく変化しました。

憲法の創造力」の内容紹介の一文には「憲法の原理を理解した上で、そこから、創造力を駆使して、より良き国家・社会のルールを想像すること」とあります。

「想像力」の時代から「創造力」の時代へ。それは、前者を否定するのではなく、前者を受け継ぎつつ、憲法を、一部の国会議員に任せるのではなくて、国民が「より良き国家・社会のルールを想像」するこではないでしょうか。

 

いろいろ、書きましたが、要は、国民が憲法について「知り、議論することが大事」なのではないかと考えたのです。しかし、マスコミの報道は、十分だとは思えません。だから、自分にできることは、「改憲」「護憲」にとらわれず、憲法に関わる情報を発信することではないかと。議論を活発にするためにも。

 

だからといって、個人では限界があります。なので、みなさんからの情報も必要です。

賛同していただける方は、ぜひ、様々な形で協力していただけると助かります。