国会を延長(9月27日まで)するんだって!「安全保障関連」(違憲)法案を確実に成立させることにヒトコト

今、開催されている通常国会を、9月27日(95日間)まで延長するんですってね。

常会の延長は一回延長できる

憲法第52条(常会)は、

国会の常会は、毎年一回これを招集する。

と定め、

国会法第10条(常会の会期)は、

常会の会期は、150日間とする。

同法第12条(会期の延長)第2項は

会期の延長は常会にあっては一回、特別会及び臨時会にあっては二回を超えてはならない。

と定めています。

今の国会は、常会ですから、一回延長することができます。会期末は6月24日まで。なので95日間の延長となります。

NHKニュースは、

後半国会の最大の焦点である安全保障関連法案を確実に成立させるため、9月27日まで95日間延長する方針を明らかにしました。
通常国会としては、過去最長の延長幅となります。

 と、報道し、安全保障関連法案(集団的自衛権行使法案)を確実に成立させるためと。この他に、派遣法の改正なども成立させるのでしょう。

「安保関連法案」は今日、衆議院参考人質疑が行われたばかりで、会期末(6月24日)までに、衆議院を通過する見込みさえたっていませんよね。この法案は、「違憲」とする多くの憲法学者が懸念を表明し、国民の理解も得られていない状況なんですよ。

それを、「確実」に成立させるために延長というのは、はっきり言って、なにがなんでも成立させるという結論ありきの姿勢で、許されることではありません。丁寧な議論とともに、国民の支持が得られないのであれば、廃案にすべき法案です。

60日規定の適用も視野に

法案をごり押ししようと思えば、できなくはありません。だって、衆議院参議院ともに与党が過半数を占めているのですから。

ただ、あまりにも強引な国会運営をすると、野党の反発が強まり、国会が空転するとも限りません。国民の理解も得られない。だから、できるだけ野党の意見を取り入れながら国会運営をしようとする姿勢の表れであるかもね。

でも、憲法59条(法律案の議決、衆議院の優越)は、

①法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したときに法律となる。

衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。

③(略)

参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。

 ①については、よくある光景です。②については、ねじれ国会(野党が参議院で過半数を占める)で、過去にありました。

問題は、第3項です。衆議院で可決し、参議院が法律案を受け取ってから60日以内に議決しないと、衆議院は「参議院が法律案を否決したものとみなすことができる」規定です。

ざっくり言うと、衆議院を通してしまえば、参議院でどうなろうが、衆議院で再可決をすればよいということですね。

だって、衆議院では、与党(自民党公明党)が2/3以上の議席を持っていますから。それでも、日数の制限がありますから、衆議院では7月下旬までに衆議院を通過させれば良い。このことを念頭に置いて、9月27日までの95日間の延長なんでしょう。

会期末(6月24日)までに衆議院を通過できなければ廃案に

「安保法案」の審議は、政府・与党の見込みを大幅に狂わせています。衆議院憲法審査会では、憲法学者3人全員が「違憲」と表明。世論調査(共同通信社)では「反対」が58・7%で前回(5月)から11・1%増えているんですよね。

安倍首相は、ていねいに説明すると言っていますが、説明すれば説明するほど、逆に「反対」が増えているってことは、国民に受け容れられない法案ってことですよ。

会期末までに衆議院を通過させられないなら、廃案にすべきですね。